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上記のキーワードは私が証券会社で働くことに意義が見出せなくなった時に実際にGoogleで検索していたものです。
この記事をご覧になられているということはあなたも現在勤めている証券会社を辞めたいと考えているのではないでしょうか。
私もちょうどこの記事を執筆している1年前(2021年)は、証券会社での毎日の仕事が苦痛で逃げ出したくなっていたので気持ちは痛いほどよく分かります。
証券会社を辞めたいという気持ちは高まりつつも、いざ辞めるという選択肢が視野に入ると「辞めるのはもったいないんじゃないか……」「辞めた後はどうすればいいのか……」といった不安も募りますよね。
過去の私も証券会社を辞めるという決断にすごく悩んだ経験があるので、本記事では私が証券会社を辞めてよかったと感じたリアルな体験談を綴ってみました。
あくまで1つの事例として捉えていただければと思いますが、証券会社での働き方に嫌気が差している人はぜひ参考にしてください。
結論、私は大手証券会社を退職して事業会社のWebマーケターに転職していますが、キャリアチェンジの決断をして本当に良かったと思っています。
証券会社を辞めたいと思った3つの理由
私は新卒で大手証券会社に入社しており、社会人4年目の年に退職を決意しました。
社会人2年目の頃から少しずつ証券会社を辞めたいと思っていましたが、周りの環境に恵まれたこともあって思ったよりも続いたなといった感じです。
私は精神的に病んで証券会社を辞めたわけではありませんが、以下の3点をしんどく感じたため、証券会社を辞めることにしました。
1.営業という職種が合わなかった
証券会社を辞めたいと思っていた一番の理由は内向的な自分にとって営業という職種が苦痛でしかなかったということです。
特に証券会社の営業は売るものが金融商品なので目に見えるものではありませんし、基本的にどこの証券会社で購入しても中身は同じです。
そのため、差別化を図るためにはお客様との信頼関係づくりが非常に重要となります。
仕事とはいえ、ただ単純に金融商品を売るための関係構築をして、金融商品の提案を繰り返すといった日々に嫌気が差していました。
証券営業という業務自体に意義が全く見出せませんでしたし、実績面としても一番いい時で上位20%〜30%くらいの成績しか残せませんでした。
取り組んでいる業務に誇りを持つことができず、営業マンとしてもトップクラスの成績を残すことはできなかったのでこのまま証券会社に居続けるよりも他の職種にキャリアチェンジした方が良いのではと感じていました。
そんな時に背中を押してくれたのが、橘玲さんの著書『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』に書かれていたこの一節。
内向的なパーソナリティのひとが営業部門に配属され、成績を上げるために外交的な性格に変わろうと努力するのは無意味だ。専門職のように内向的でも成功できる職業はたくさんあるのだから、無駄なことに貴重な時間を費やすことなく、さっさと辞表を出して自分が得意な仕事に移った方がいい。
『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』 橘玲
当時の私にはこの言葉が響き、証券会社を辞めて次のキャリアを歩もうと決意しました!
2.スキルが身についている実感が持てなかった
また、証券会社で3年以上勤務していて何かスキルが身についている実感が持てなかったということも証券会社を辞めたいと思っていた大きな理由です。
資産運用の知識や営業のスキルは身についていたのかもしれませんが、言ってしまえばそれだけ。
私は証券会社に勤務していた時も副業でブログに取り組んでいましたが、ブログ運営に取り組むことで身につくWebライティングやWebマーケティングといったスキルと比べると専門性が圧倒的に低いと感じました。
このまま証券会社で働き続けたとしても営業の経験値しかためられず、ずっと営業のキャリアを歩んでいくのも限界があるなと思っていましたね……
3.株式投資の自由を手にしたかった
証券会社に勤務していて個人的にしんどかったのが株式投資の自由が制限されていたということです。
証券会社に勤務していると社内の規定により、自社の証券口座しか保有することはできませんし、株を売買する場合は書類を提出して複数の上司から許可をもらわなければなりません。
ルールに則れば株式投資もできますが、申請から手続きまでにかなり時間がかかりますし、証券会社のピリついた雰囲気の中で仕事中(場中)に私用で上司の手を止めるのはかなりの難易度です。実際にやっている人はほぼいません。
私は学生の頃から株式投資に興味があり、株式投資の魅力に惹かれて証券会社に入社しているのですが、個人の趣味として株式投資が一切できないのは思ったよりもしんどかったです。
特にTwitterで仲良くしていた方々は楽しそうに株式投資をやっていたのでめっちゃ羨ましかったです……
証券会社を辞めることが決まった時に、ようやく株式投資の自由が手に入るんだという嬉しさを感じたことを覚えています。
証券会社を辞めてよかったと感じたこと
私は3年8ヶ月働いた後に大手証券会社を退職し、現在は事業会社でWebマーケターとして働いています。
率直な感想を述べると、証券会社から職種を変えただけで仕事上での精神的負担が一切なくなり、毎日楽しく働くことができていることに驚きを感じています。
毎日、嫌々出社していた証券会社時代が嘘みたい……
証券会社を辞めたまわりの同期も転職してからイキイキしている人が多いですし、口を揃えて”証券会社を辞めてよかった”と言っています。
私もそうですが、証券会社を辞めてよかったと特に感じる点が以下の3つです。
怒号が飛び交う職場から解放される
証券会社を辞めてよかったと思える大きな理由は怒号が飛び交う職場から解放されるということです。
証券会社にお勤めの方はよくお分かりだと思いますが、あそこって異常なくらい怒号が飛び交う職場なんですよね……
支店の数字が悪ければ、トップダウンで数字を詰められることが多いですし、常に雰囲気がピリついています。
別に自分が怒られている訳ではなくても、他の営業の方が大きな声で詰められている姿を見るのも精神的に気持ちいいものではありません。
加えて、証券会社に長く残り続けている人はパワー系の人が圧倒的に多いですし、倫理観が外れた人も多いのが個人的な印象です。
最初の支店で経験したサイコパスな人とやりとりするのは個人的にかなりしんどかった……
そのような職場を経験している訳なので、転職して職場を変えると驚くほど働きやすいと感じます。
私も現在の転職先では1回も怒鳴り声を聞いたことがありませんし、各々のメンバーがイキイキと働いていて人間関係もかなり良好です。
職場の人間関係や雰囲気は仕事上の精神的負担に大きく関わる部分なので、証券会社を辞めるとこの点は大きく改善されるのではないかと思います。
数字を出すために嫌でもやらなければならない営業から解放される
この点も証券会社を辞めてよかったと強く感じたことですが、数字を出すために嫌でもやらなければならない営業から解放されました。
証券会社の営業は支店の数字が最優先なので、手数料が高い商品を中心に販売していかなければなりません。
私自身の投資観としても金融商品はコストが低くてシンプルで分かりやすいものが良いと思っているので、会社で生き残るために完全に自分の投資観を捻じ曲げて営業を行っていましたね……
買い提案だけならまだしも、担当のお客様から持っている投資信託を売却したいといった申し出も支店の数字のために引き止めなければならないのも結構しんどかったです。
お客様よりも自分たちの数字の方を向いて仕事しているのは健全ではないですよね……
証券会社を辞めてからはそういった罪悪感もなくなりましたし、めちゃくちゃスッキリしています!
むしろ、今は事業会社でWebマーケターの仕事に取り組んでいるので、お客様やユーザーファーストでコンテンツを制作したり、マーケティング施策を講じることができています。
やっぱり仕事に携わるのであれば、お互いがWin-Winになれる業務の方がイキイキと働けるのでおすすめです。
朝の出社までの時間にゆとりが持てる
また、証券会社を辞めたことによって朝の出社までの時間にかなりゆとりが持てるようになったのも良かったことです。
証券会社は株式市場が9時から始まる関係で他の業種よりも始業時間が早いですし、株式市場の動向を押さえるために朝早く起きてモーニングサテライトを見たり、日経新聞を読んだりしなければなりません。
私はだいたい6時前に起床して日経新聞を読んで、7時くらいに家を出て、8時前に出社するという生活を繰り返していました。
朝は早くてやることが多いにも関わらず、社内の付き合いで夜遅くまで飲みに誘われることも多かったので体力的にも結構しんどかったですね…
あと、基本的にリモートワークは成り立たない仕事なので毎日電車通勤しなければならないのも大変でした。
証券会社を辞めてからは特にマーケットの動向を追わなくてよいので、朝から日経新聞を読んだりする必要もなくなりましたし、だいぶ朝の時間にゆとりが持てているように感じます。
さらに私はリモートにも柔軟に対応できるWebマーケターの職種に転職することができたので、通勤をする必要もほとんどなく、朝からストレスフリーでかなり時間に余裕がある生活を送れるようになりました。
大学時代の友人などと話していても証券会社の朝の大変さはずば抜けていたので、証券会社から他の会社に転職することになれば朝の時間にゆとりが持てるようになると思います。
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証券会社を辞めて後悔したのは金銭面のみ
私は証券会社を辞めてから本当にストレスを感じない生活を送れるようになったので、退職してよかったと心の底から思っています。
これまで証券会社を辞めてよかったと感じたことを紹介させていただきましたが、一方で証券会社を辞めて後悔したことはあるのでしょうか。
証券会社を辞めた者が口を揃えて言うことではありますが、それは高い給与と手厚い福利厚生を失ってしまうことです。
実際のところ、私は社会人4年目の年の年収は650~700万円くらいでしたし、同年代の平均と比較すると高かった方だと思います。加えて、家賃補助のおかげで住居費も10,000円程度の負担しかありませんでした。
私もそうですが、職種を変える転職をすると年収ダウンは避けられないですし、中途入社になると新卒の時のように福利厚生も手厚くないケースがほとんどです。
証券会社に勤務し続けていたら30代で年収1,000万円に到達することもできていたと思いますが、年次が上の人を見ていてもしんどそうな印象ばかりだったのでそこまで耐えて年収を重視する必要もないと思うことができました。
結果的に私は未経験からWebマーケターに転職しているので年収も400万円台まで大幅に下がっていますが、毎日が楽しくストレスフリーで働くことができているのでお金よりも大切なものを手に入れることができたと思っています。
同じタイミングで辞めた同期も他の職種に転職して年収は下がっていましたが、それでも証券会社に勤務していた頃のストレスから解放されたことの方が大きいと言っていました。
証券会社を辞めたいと考えているなら注意すべきこと
この記事を読んでくださっているということは多少なりとも証券会社を辞めたいと感じているのだと思います。
実際に大手証券会社を辞めた身として、ここでは証券会社を辞める前に注意しておくべきことをお伝えさせていただきます。
辞めることを見据えているならできるだけ在職時に貯金しておこう
1つ目は証券会社を辞めることを見据えているのであればできるだけ在職時に貯金をしておこうというメッセージになります。
貯金があるほど次の道に進む際に経済的なゆとりが持てますし、状況によっては証券会社を辞めてから転職活動を行うといった選択も取れます。
幸い証券会社は給与が高く、福利厚生も手厚いのでお金は非常に貯めやすい環境です。
私も社会人2年目の頃から証券会社を辞めることを視野に入れていたので、しっかりと計画的に貯金していました!
結果的に私は証券会社を辞めた時には年間生活費の2〜3年分の金融資産を構築することができていたので経済的な心配はありませんでしたし、一度ブランクを空けてから転職活動に取り組むことができました。
お金はあればあるだけ取れる選択肢が増えますので、証券会社を辞めようと考えている方は計画的に貯金しておきましょう!
できれば在籍しながら転職活動をした方が精神的には楽
続いてお伝えしたいメッセージができれば在籍しながら転職活動をした方が精神的には楽ということです。
私は証券会社に勤務しながら転職活動に取り組む余裕がなかったですし、とりあえずは何とか生活していけそうな貯金があったので証券会社を辞めてから次のキャリアを模索しました。
Web関係の仕事を本業にしたいという想いはあったので、退職後は毎日ひたすらブログに取り組むといったブログ浪人の道を選びましたが、その間の給与はゼロでしたし、自分が進もうとしている道は正しいのかといった不安に苛まれる日々でした。
1つのブログが完成した後はそのブログをポートフォリオとして活用しながら転職活動に取り組みましたが、キャリアに半年以上のブランクが空いていたのでその点も転職活動では不利に働きました。
なので、もしこれから証券会社を辞めようと考えているのであれば、在籍中に転職活動や準備を進めておくことをおすすめします。
もちろん、証券会社に勤務しながら転職活動を進めるということはかなり大変ですので、無理のない範囲で頑張ってください!
体調面や精神面に限界がきそうな方は無理をせずに、証券会社を辞めることを優先される方がいいと思います。
次の転職先が決まっていないと不安かもしれませんが、なんとかカバーすることはできます。
有給はフルで取得できないと思った方がいい
証券会社を退職していく数々の同僚を見ていて感じたのが、退職時になかなか有給をフルで消化できている人がいないということです。
働いている支店や部署によって大きく変わる部分だと思いますが、だいたい10〜15日分しか有給を消化できていないイメージ。(*30~40日分の有給休暇が付与されているにもかかわらず)
実際に辞めていく同期の話を聞いていても有給は2週間分くらいしか取れなかったという声が多かったです。
私は幸い、退職前に働いていた支店の上司がそういった配慮もしてくれる素晴らしい方で、支店長も理解がある方だったので30日程度は有給を消化することができました。
ただ、有給をそこまで多く消化するのは証券会社ではかなり珍しいので、気に食わないと感じている他のマネージャーからは色々と直接嫌味を言われました。
なので、証券会社を辞めてこれからのことを考える際には、有給の消化は楽観的に考えない方が良いと思います。
この現実を知った上で有給がたくさん消化できればラッキーですし、過度に期待しない分落胆も少なくなります。
証券会社は辞めても次のキャリアが探しやすい
最後に私の実体験や証券会社を辞めた友人の話を聞いて強く感じたことを紹介して締め括ります。
それは証券会社は辞めても次のキャリアが探しやすいということです。
理由は以下の2つ。
- 証券会社で働いていた経験や実績は転職活動で評価されやすい
- 業界や業種が変わるだけでもだいぶ働きやすくなる
証券会社に勤務していた経験は転職活動でも評価されやすいとよく聞きますが、それは身を持って強く感じました。
営業という職種は変えずに業界を変えて転職活動を行っていた友人は書類で落とされることはほぼなかったと言っていましたし、実際に複数の大手企業から内定を獲得していました。
私は未経験の職種・業界の企業を転職活動で応募していたので、難易度は少し高かったですが、それでも前職の経験を評価してくれるところは多かったです。
証券会社はレベルが高い数字の目標が定められたうえで、取り扱っている商品も無形商材なので営業力が評価されますし、ビジネスの基盤となる信頼関係構築力やコミュニケーション能力も高く評価してもらえます。
また、証券会社の在籍時にFPなどの資格もたくさん取得していると思うので、履歴書の資格欄に書ける内容もバッチリです。
金融業界や営業という職種で転職するのであれば、再就職には困らないと思います!
さらに転職が決まってから新しい職場で働き始めるとだいぶ働きやすいと感じるはずです。
証券会社ほど数字を詰められたり、日々怒号が飛び交っている職場はあまりないですし、そんな環境の中でも目標をクリアしてきた経験があれば、大抵の職場は楽に感じれます。
私が知っている限り、証券会社を辞めた友人で後悔している人は1人もいませんし、転職した先の職場が働きやすいと感じている人ばかりです。
私は自分自身の体験や証券会社を辞めた友人の話を聞いていて、
証券会社は辞めても次のキャリアが探しやすく、次の職場環境もよくなる可能性が高い
と感じているので、証券会社で勤務する日々に嫌気が差している人は転職するのも1つの手だとお伝えしたいです。
転職活動は証券会社に在籍していても気軽にできますので、まずは転職サイトや転職エージェントに登録してみてください。
私が実際に利用していた転職エージェント・転職サイトは下記の記事で紹介しております。